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だから、俺たちがこうして出会うことはない。チャコが言いたいのは、そういうことだろう。
「そうよ。でも、願いを叶えてくれるのは、なにも神さまだけじゃない。わたし、今度は悪魔にお願いしたの。二人とも人間に生まれ変わって、また会えるように……。そしたら、声が聞こえたわ。願いを叶えてやろう。お互いの名前を知った瞬間、前世の記憶がよみがえる。願いは一度きりだ、って」
「なるほど。話はさっぱりわからないが、俺にできることは一つだけのようだ」
ゴメンナーが会話に割りこんでくる。うっかり存在を忘れかけていた。
「ごめんなさい」
ゴメンナーはそう言って、またも土下座をする。だが、よく見ると、先ほどより顔と地面がくっついていない。
「おまえたちの会話は理解不能だ。さっぱりわからん。だが、それでも謝っておけば、どうにかなる。これぞ奥義・安易な大地への接吻だ」
「つまり、その場しのぎってわけか」
「イエスだ。ごめんなさい」
「ほとんど病気だな」
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