白い雪

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私の右足の切断手術は、それから1ヶ月後に施された。 膝関節離断と呼ばれる切断で、右足の膝関節で切断され膝から下の部分が切除されるため、かろうじて大腿部分は全て残った。 切断後は右足に痛みと違和感があって、痛み止めの点滴をしていたが、2日程すると車いすでお手洗いに行けるようになった。 1週間ほど経つと足の痛みも和らぎ、松葉杖で病院内を歩き回れるようになった。 ある日、松葉杖でお手洗いをすませてからリハビリを兼ねて病院内を歩いていると、小児科病棟で1人の小学生くらいの車いすに乗っている女の子が院内の絵本を置いてある場所にいるのを見かけた。 私は、その女の子に声をかけてみた。 「面白そうな本は見つかったかな?」 すると女の子はこちらを振り向いて、笑顔で答えてくれた。 「面白そうな本がたくさんあってね、どれを読もうか迷っているの…」 私はその女の子に興味を持って少し質問してみた。 「お名前は?」 「紗英(さえ)」 「年はいくつなの?」 「6歳!  小学校1年生だよ!」 女の子は元気に答えてくれた。 「おねえちゃんのお名前は?」 紗英ちゃんに言われて、私は自分が名乗っていないことに気が付いた。 「まず、自分が名乗らなきゃだね!  波瑠(はる)です。  よろしくね!」 「波瑠ねえちゃんだね!」 紗英ちゃんが言いにくそうだったので私が、 「波瑠ちゃんでいいよ!  私も紗英ちゃんて呼ぶね!」 と言うと、紗英ちゃんは嬉しそうに満面の笑顔になった。
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