753人が本棚に入れています
本棚に追加
/211ページ
「いつか、絆に合わせてくれる?」
俺が、父親になろうと思った子。
「いいけど、嫌な思い、するかもしれないよ?」
「なんで?」
「………私に似てないから。」
「ぷっ
似てなくても、結の子だろ?
別に気にしないよ。」
宮本さんに似てるって事か。
「それに…」
そこで、俺は言葉を切った。
言っていいのかな…
「なに?」
「これから、結によく似た子を産んでくれれば
いいんだろ?」
俺は腕を緩めて体を離すと、涙で濡れた結の顔を見た。
結は、言葉の意味を察したのか、頬を染めて、俯いてしまった。
俺は、また結の顎に指を添えて上を向かせる。
俺がためらいながら、顔を近づけると、結は、そっと目を閉じた。
唇に結のぬくもりを感じた。
胸に結への愛しさが溢れる。
結… 結…
愛してる。
ずっと、永遠に、結を愛してる。
最初のコメントを投稿しよう!