767人が本棚に入れています
本棚に追加
「迷惑とは言われてないけど…
私がいると、甘えちゃうし、八つ当たりする
かもって…」
「は!?
で、遠恋? そりゃ、続かないわ。」
「なんで、あんたにそんな事言われなきゃ
いけないのよ!」
「だって、ただでさえ、仕事大変な時だろ?
遠距離なんて、会いたい時に会えないし、
思うように連絡できないし、心に余裕が
なきゃ、続かないのに、そんな理由で離れる
なんて、理解不能だわ。」
俺は、伊藤の彼氏が、伊藤と付き合ってるのに、伊藤を大事にしてない気がして、ムカついた。
王子とか言われて、余裕ぶってんのか?
だけど、ムカつく俺の前で、伊藤は、唇を噛み締めて震わせると、大きな目に涙をいっぱいに溜めた。
「悪い。言い過ぎた。」
俺は何をやってるんだ。
これじゃ、全然、仲直りどころじゃない。
俺は、ただでさえ、彼氏に置いていかれて辛い思いをしてる伊藤を責めて、追い込んで、傷つけただけだ。
俺のイライラをぶつける相手は、伊藤の彼氏であって、伊藤ではないはずなのに。
最初のコメントを投稿しよう!