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24時。
結と2人で駅まで歩く。
「お前、彼氏に猿の姿、見せてんの?」
俺はポツリと聞いた。
「は?」
「ずっとぬいぐるみのままなんじゃね?」
「んー、どうかな?
でも、………そうかも。」
「付き合って何年?」
「5年。」
「結婚したいならさ、猿でもいいって言って
くれる奴じゃないと、続かないと思うぞ。」
「でも、急には変われないじゃない?
私も別に無理してるつもりもないし。」
「無理してるつもりはなくても、無理してる
だろ。
転勤の話が出た時点で、何が何でも一緒に
行きたいって言ったか?
会いに来なくていいって言われて、どうしても
会いたいって言ったか?
大事な事を言えない相手とは、一生、一緒には
生きてけないぞ。」
だから、俺にしとけよ。
俺は、猿のお前もかわいいと思うぞ。
っていうか、寧ろ、猿のお前が好きなんだ。
大人しく取り澄ました結は、結じゃねぇよ。
だから、結…
早く俺を好きになれ。
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