【原色実験】

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{1} まあまあ、先生! そんな落ち込まないで下さいよぉ! もう! 真っ青な顔、しちゃってぇ!! そりゃ、産婦人科の先生が診断を間違えるなんて、有ってはならない事だとは、思いますよ? でも、今回の間違いは、患者の私にとっては、むしろおめでたい事なんですから! 確かに、一昨年… 先生は、私にこう言いましたよね。 『こんな事を続けていると、貴女はもう子供を産めない体になるかもしれない』って。 でも、先生! 私は、これこの通り! 妊娠しちゃいましたぁ! まあ、先生も知っての通り… 私は昔、水商売の女でした。 取っ替え引っ替え、男と付き合って、その度に妊娠して、 その度に先生に中絶手術してもらいましたよね。 だから、『貴女は、もう子供を産めない体になるかもしれない』って先生から言われるのも、正直、時間の問題かな… なんて思ってたんです。 まあ元々、私は子供はそんな好きじゃないですし。 育児だって、物凄く大変そうだしね。 あ、そんな顔しかめないで下さいよぉ! それと、前にも言いましたけど…私、避妊とか、めんどくさくて大キライなんですよね! まあ、妊娠したらそん時は堕ろせば良い、なんて考えてました。 それに、相手に「実は、妊娠した」って言うと、 その度に、ほとんどの男は、私に大金をくれて向こうの方から去って行ってくれるんです。 まあ、中には私の妊娠を知って真剣にプロポーズして来る男も、たまにいましたけど… 冗談じゃない! 私は、金持ち以外、興味ナッシング! 私は、一夜の快楽さえ得られれば、それで良いんですもの! バッサリとフッてやりましたわ! そしたら、その男… 自殺なんかしちゃって…。 でも、そんな事! 私の知った事では、ありませんわよね! アハハッ! あ、誤解しないで下さいよ。 水商売で働いている女の子、皆が皆、私みたいな事してる訳じゃないですからね!
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