第一章 永笑-とわ-

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子供には抗えない程に強い力。僕は、そのまま海の中へ引きずり込まれてしまった。 必死に浮き輪を掴もうとしたが、うまく掴めない。焦れば焦るほど、浮き輪は溺れている僕からどんどん離れていく。 浮輪に見捨てられた僕は、そのまま意識を手放した。 意識を失った時、変な夢を見た。 見たことも無い沢山の人間が手を繋ぎ、僕の目の前で万華鏡のように広がっていく夢。 ぐるぐる円になり、広がっていく人の顔。人種は様々で、白人も居れば黒人も居る。それらは手を繋ぐのに合わせ増えていく。 しかし、その笑顔が黒いペンキで塗りつぶされると、泡のように消えてしまう。最後に残ったのは、ボロボロの服を着た中年男性。 そのホームレスにしか見えない男性は僕の目をまっすぐ見つめて問いかけてきた。 「俺は……いつ死ぬ?」
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