第一章 永笑-とわ-

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空腹によって目が覚めた僕は、母にフランクフルトを買ってもらう。フランクフルトを頬張りながら、砂浜をゆっくりと歩いた。 『もう海には二度と入らない』 打ち寄せる波を見つめながら、そんなことを心の中で呟く。 その時、百メートル程先のテトラポットに人が立っているのが見えた。 表情まではわからないが、白い服を着た女性に見える。酔っぱらっているのか、身体がユラユラと揺れている。 何故あんな所にと、僕がその女性を見つめていると、後方から母が僕を呼ぶ。 母に顔を向けて返事をしてからすぐにテトラポットを見たが、女性は既に消えた後だった。 いくら足が速くても、こんな一瞬で消えることは不可能だ。
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