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中学二年になったばかりの春、一人の女性と出会った。彼女の名は春日咲希。クラス替えで四組になった時、初めて彼女を見た。
クラスでは委員長などをする女の子で、とても明るく活発で、みんなから注目される女の子だった。この時の僕とは全く正反対の人間。
一学期が始まって間もないとき、咲希の肩に何かが乗っていることに僕は気づいた。でも、それを彼女に伝えたら『気持ち悪いヤツ』と思われて終わりだ。
そう思った僕は、伝えようか伝えまいか悩みながら、無意識のうちに咲希を目で追っていた。咲希の肩に乗っている何かを見つめ続けて四日目、咲希の方から僕に話しかけてきた。
「なんで、ずっと見て来るのよ」
「いや、別に……」
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