第一章 永笑-とわ-

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「気持ち悪いから見ないでほしいんだけど」 「ご、ごめん……」 肩に何かが乗っていると伝えもしないうちから、僕は咲希に「気持ち悪い」と言われてしまった。 どちみち気持ち悪いと思われているならと思い、肩に乗っている何かの話を僕は咲希にすることにした。 「昔、猫とか飼ってなかった?」 「は? いきなり何言ってんの?」 怪訝な顔で首を傾げる咲希に、猫の特徴を伝える。 「赤い首輪をした白い猫」 「確かについこないだまで飼っていたけど、なんでウチのミケのことを笠井君が知っているのよ」 咲希は冷たい瞳で僕を睨んで訊ねる。
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