127人が本棚に入れています
本棚に追加
「その猫、君に伝えたかったけど、伝えられなかったことがあるらしい」
「ミケは二週間前、急に家から出ていった以来戻って来ないの。それより何であんたがミケのこと知っているのよ! ミケの特徴も全部当たっているし」
咲希は大声を出しながら僕に詰め寄る。
「ミケは、ミケは今も君のそばにいるよ」
「は? いなくなったって言っているじゃない! もしかして、あんたが私のミケを誘拐したんじゃないの?」
どんどん声を荒げていく咲希に反して僕は冷静に答える。
「確かに、ミケはもうこの世にいない。でも、君に伝えなきゃいけないことがあるから、死んだ今も君のそばにいるんだ」
「なんで? なんでそんな人を傷つけるような嘘が口からペラペラ出てくるの? 信じられないんだけど……」
最初のコメントを投稿しよう!