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「ミケは、謝っているよ。君が大切にしていたリボンや、髪留めを隠したこと。君がおもちゃを持って、必死に遊んでくれようとしたのに、無視して家の外をうろうろしたことも。君の優しさに本当はもっと甘えたかったみたい。でも、恥ずかしくてそれが出来ないまま死期を迎えたんだ。猫は自分の死期が近づくと、飼い主から去ろうとする。だから、君の目の前から、急に居なくなってしまったんだ」
僕がその話をした瞬間、咲希の目から大粒の涙がこぼれた。すると、泣いている咲希と僕を囲むように、クラスの女子が集まってくる。
「うわー笠井、最低! 咲希のこと泣かせやがった。最悪。あんたなんかこの世から居なくなればいいのよ!」
クラスの女子に囲まれて罵声を浴びせられる。
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