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「永笑くん、トイレの鏡で見たけどそんな黒い斑点なんて無かったよ? 嘘はいけないなー嘘は」
しかし、その言葉を言っている叔父の目を見ると、黒い斑点は未だに消えておらず、数時間前に見た時よりも一層濃くなっている。
それを伝えようか伝えまいか迷ったが、結局伝えないままその日は終わった。
次の日の朝。叔父は、急性心筋梗塞で亡くなった。
その日から僕は、人の顔を見るだけで、その人がいつ死ぬかがわかるようになる。
母の死と同時に、その能力は僕に与えられてしまった。
そして、十三年の月日が流れる――――。
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