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「永笑はどんな指輪にしようか考えているの?」
咲希が服の裾を引っ張りながら訊ねる。
「いや、全然。結婚指輪の方は、咲希に選んでもらうつもりだったから」
「あっ言っちゃったねー。すっごい高い指輪選んじゃおっかなー」
チンという音と共にエレベーターは一階に到着した。キラキラとしたダイヤの指輪やネックレスがショーケースいっぱいに並んでいる通路を僕たちは歩きだす。
すると咲希は急に立ち止まり、ショーケースの前で一つの指輪に見とれている。
「永笑、これ見て! すっごい綺麗じゃない?」
「ほんとだ。でもこれ高そうじゃない?」
咲希の指差している指輪は、真ん中にピンクダイヤモンドが輝き、回りに小さなダイヤが散らばっている指輪だった。
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