127人が本棚に入れています
本棚に追加
ホテルの最上階が披露宴の会場になっていて、そのすぐ下の十四階がプランナーの仕事場になっている。
地下の駐車場に車を停め、エレベーターで十四階まで上がっていく。
エレベーターの大きな窓から街を見下ろしていると、咲希が子供のようにはしゃぎ始めた。
「きれーい! ほんとこのホテルって景色綺麗だよね! 嬉しい」
「咲希、もう二十八なんだし、ちょっとは落ちつけよ」
僕は笑いながら、咲希に冗談っぽく言うと、咲希はほっぺを膨らませてムスッとする。
そんなやり取りをしている間に、エレベーターは十四階に到着した。
扉が開くと、奥からスーツ姿のウエディングプランナーが近づいてくる。長身でオールバック。いかにもプランナーといった感じの男性だ。
最初のコメントを投稿しよう!