第二章 咲希-さき-

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「お待ちしておりました。笠井様御夫妻ですね」 「まだ夫婦じゃないでーす!」 咲希がエレベーターで僕の言ったことを根に持っているような喋り方をしたので、プランナーに慌ててフォローを入れる。 「あぁ、すいません! 今日は、どうぞよろしくお願いします」 プランナーに咲希の発言を謝り、僕たち二人は結婚式の打ち合わせに入った。 三時間の打ち合わせで、料理をどうするか、ドレスをどうするかなどを話し合う。 全て終わった頃に時計を見ると、夕方の四時を回っていた。カップに残った珈琲を飲み干し、プランナーに挨拶をして僕たちは式場をあとにした。
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