第二章 咲希-さき-

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「咲希、今日は晩御飯どうする?」 「うーん、今日はお母さんも仕事で帰ってくるのが遅いから、弟の夕ご飯は私が作ってあげなきゃいけないんだよね。だから今日は帰る」 「りょーかい」 車の中でそんな会話をしていた僕たちは、どこにも寄り道せずに咲希の家に向かった。 赤信号で停止していると、ニコニコしながら咲希は僕に話しかけてくる。 「今日、初めてウエディングドレス着たけど、どうだった? 惚れ直したでしょ?」 「うん、すごく綺麗だった。やっぱり白が一番似合っていたね」 「そう? 個人的には赤が気に入っていたんだけど、ウエディングドレスっていったら、やっぱり白だよね」
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