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「ハハ、惜しいですね。僕の名前は笠井永笑って言います。時代が時代なら、キラキラネームとか言われていたでしょうね」
僕が名札の端を摘まんで持ち上げながらそう言うと、比嘉さんは「いい名前だね」と言いながら丸椅子に再び腰を落とした。
「先生はさ、どんな子供だったんだい?」
「僕ですか? そうですねぇ、一言で言うなら、変な子でしたね」
僕がそう言って笑うと、比嘉さんは「なんだいそりゃ」と言って目尻を細めた。
「変な子でも、努力すれば医者になれるって事ですよ。まぁ、僕が医者になれたのも、ある人のおかげなんですけどね」
僕がそこまで喋ると、比嘉さんは身を乗り出して目を大きく開く。
「へー、先生の昔話聞きたいわぁ」
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