白い繭

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白い繭

~一日目~  焦げ茶色の革<かわ>で出来上がった鍵入れから街灯によって銀色の光を放つ鍵を穴に差し込んで玄関の扉を開ける。そして冷え切った廊下を凍えている足で自分の行きたい部屋へと歩いていく。握りしめた紙袋の紐とその勢いで発した手への熱を離して中に入っている白色のパッケージを取り出す。そのパッケージは『HORROR REAL"ホラーリアル"』というホラーゲームタイトルが書かれていた。名前の通り現実世界を元にした様々な怪奇現象が起こる家庭用ゲームである。さらにすごいのが、自分がやりたい場所を特定できてしまうという点である。例えば東京都なら東京都の全域を、沖縄県なら沖縄県全域(一部島移動ありがあるらしい)をある程度細かく描かれているのである。一部の地域を除いて自分の設定した地域と他の県を跨ぐことは不可能なのである。もちろん、設定するのは日本国内しかできない。仕事終えてから駆け足で列に並んで買いに行った価値は あった気がするとそれを見ながら安堵した。     
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