白い繭

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~四日目~  あれから二週間がたった。今日も白い繭はまだビルの入り口にあった。それと同時にゲームもあのままである。最近になってあんな話をしたせいか私は白い繭について何か知ってるではないかと疑われている。  そして今、久しぶりにゲームを起動させた。私は画面に映る自分の姿を誰にも迷惑をかけないように自分の家へと近づけさせて行く。恐らく奴も付いてくるはずだから。ゲームコントローラーを動かして自分の家へ近づけさせる。  徐々に……。  徐々に……。  そして私の家の門の前へ来た。もうそこには白い繭が存在していた。鈍い音がうなる。  ビシビシシ……。  ビシビシシ……。  白い繭が破れたかと思うとそこには私とまるで同じ体形の後ろ姿の黒い人間が出てきた。そして何をするかと思って見ていたら急にノートパソコンの電源が消えた。電気は付いていたが、怖くなりテレビの電源を付ける。そこには映る人の人数全員……恐らく十人ぐらい(二人と八人で別れたMC付きの何らかの番組)が黒い姿で椅子があるにも関わらず立っていた。そして徐々に画面から何か垂れていると思って見ていると画面の中を埋め尽くすかのような勢いで黒い汁がテレビ画面の縁の真上から垂れていた。私は怖くなり、テレビ画面の電気を消した。すると家の中にあった家電や私を照らしていた電気が消えた。私は怖がりなため、カーテンは閉め切っているため光は差し込んでは来ない。ましてや仕事終わりの夜である。暗闇の中のさらなる静けさが私を怖がらせる。そして玄関のドアノブが激しく動くのが聞こえる……かと思えば鍵が鳴るのが聞こえた。
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