矢田トモコ もうすぐ30歳 第52話

-お嬢様はサルベージの代理人と言った真意-

　「…だが、菅野…それは、さっきも言ったように、誰にも、邪魔がされないように、神父の前で、契約書に調印するためじゃ…」

　「…それだけじゃありません…」

　「…それだけじゃない？…」

　「…だって、神父の前で、契約書に署名するとしたら、オレも当然、お嬢様の隣にいる…だから、その契約書が、銀行ではないことに、気付きます…お嬢様はそれを避けるために、オレとは結婚式を挙げなかった…そう考えるのが妥当です…」

　…なるほど、菅野の言うことは、理に叶っている…

　…菅野は銀行によるスーパージャパンの再建を目指していた…

　…お嬢様も同じ…