日のあたらない場所でも良い

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日のあたらない場所でも良い

 日焼けするのが嫌だった。 可もなく不可もなく、至って普通の私。そんな何の取り柄もない私が唯一、他人に誇れるもの……それが『白い肌』だった。 「陽名(ひな)ちゃんの肌は本っ当に綺麗ねー! 真っ白してる!」  これが私が言われて一番嬉しい言葉。でも最近はこの肌を褒められることに慣れてしまって、以前のようには嬉しく感じなくなってしまった。だからと言って私が毎日の肌の手入れを欠かすことはなかった。 ――この肌を失ったら私に残るものって、一体何だろう――……? 本気でそう思っている。だから今日も私は日陰を歩く。日焼け止めも耳の裏までしっかり塗ったのに日傘を差して、クソ暑いのにアームカバーを身に着けて、今日も私は生きている。
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