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そう言っているのはハナエと私の数少ない親しい友人の一人であるミカだ。ミカとは小学生の時からずっと同じで偶然にも高校も一緒で同じクラスになった。
ミカは私経由でハナエとも仲良くなり一緒にいることもよくある。
二人は問題を解く私を待っていてくれていた。ミカは特に何もすることなく時々口をはさんできたがハナエは携帯電話をいじって何か調べているようだった。
「ごめんねぇ、二人とも。すぐに終わるから」
「いいよぉ別に。それよりも他の学校でもさよならさんの噂があるみたいだね。でも誰も見たことはないみたい。うちの学校だけだな、有力情報があるのは」
ハナエはどうやらネットの学生向けの掲示板でさよならさんについて調べていたようだ。ちらりと視線を向けると「さよならさんの性別は不明」「さよならさんは超絶美少女」「さよならさんははげたおじさん」など全くバラバラなことが書かれていてどれも真実味はなさそうだ。
誰かが好き勝手に書いているのだろうというのはよくわかる内容ばかりだった。
「物好きだなぁ。そんなの調べたって出てくるわけないじゃない。さようならって手を振られただけで死ぬなんてありえないもん」
私はあきれてそう言ったがハナエの目は真剣だった。真剣に噂話が好きなどとはなんとも微妙なものだ。
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