さよならさん

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 「聞いたことはあるけど実際にどうなんだろうね。学校の七不思議にしては外でも起こる出来事だからちょっと違うし。でも学校でしか流行ってないよねこの噂。都市伝説的な感じもするけどさ」  まさかミカも知っているとは思わなかったので本当に私は噂話に疎いのだなと思い知らされる。  「そうなの。もしここの生徒ならもっとばたばた死んでてもおかしくないよね」  面白半分でもそんなことを言ってはダメだ。ハナエはほんとに自分の身に何も起こらないとタカをくくっているのだろう。私自身も全く信じていないが真剣に調べている割には注意力がないところは最近の若者の特徴だ。  「よし、解けた。先生に提出できるよー。帰ろ!」  私が立ち上がると二人ともさよならさんの話をしながらカバンを持った。今日は教室で長時間おしゃべりすることなく帰るようだ。  三人で職員室に行きプリントを提出するとそのまま校門を出た。  「あ、やば!私机に今日の宿題忘れてきた!」  校門をくぐって少し進んだところでミカが突然声をあげた。さっきまで私の宿題のことをどうこう言っていたのに忘れていたのかとあきれる。ため息を飲み込んで口にしないようにした。  「えー、しょうがないなぁ。待ってるから取りに行っておいでよ」  ハナエがそう言って私もうなづくがミカは「いいよ。遅くなるし。先に帰ってて。追いつくと思うから!」と言って学校のほうへ駆けていく。     
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