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「はぁ?」
警察の人は怪訝そうな顔を僕に向けてくる。
「実は、お父さんがお母さんの事を殺して、その後僕はお父さんに連れまわされていたんです!」
「ちょっと君、落ち着きなさい。お父さんがお母さんの事を殺したって?
ちょっと確認を取るから、お父さんの連絡先を教えなさい」
「えっ、でも」
もしお父さんに連絡されたら、僕がここにいることがお父さんにばれてしまう。
ここはとぼけるしかない。
「僕、お父さんの連絡先を知らないんです」
「はぁ?じゃあ君の住所をわかるだけでいいからここに書いて、あとは私たちが調べるから」
「分からないです・・・」
警察の人は不機嫌そうに怒鳴った。
「自分の家の住所も言えないのか、君は!一体いくつだ!」
「14です・・・」
しまった、と思った。
年齢を知られたら、もしかしたら僕の住所が調べられるかもしれない。
案の定、そばで話を聞いていた中年の警察官が言った。
「14か・・・。年齢と名前が分かれば、住所もわかるかもしれないな」
「おい、さっきの飯島という男に連絡して、この子を保護したときの状況を
もっと詳しく聞きだせ。
監視カメラの写真などから、この子を連れまわしていた車を割り出すぞ!」
僕を取り囲んでいた警察の人達は散り散りになり、
僕は生活安全課の待合室のようなところに連れていかれた。
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