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やがて、ポツリ、ポツリと雨が降ってきた。
冬の寒さと相まって、雨は体温をどんどん奪っていく。
(・・・雨をしのげる場所を探さなきゃ)
そう思ったが、辺りを見回しても家らしきものはない。
それに、仮に誰かに雨宿りさせてもらっても、いろいろと聞かれるだろう。
そしたらまた警察に引き渡されるかもしれないし、
第一それに答えるだけの気力ももう残っていなかった。
遠くをよく見ると、大きな森がある。
あそこなら、雨をしのげるかもしれない。
あそこで、夜を明かそう。
僕はそう決め、着ている上着を脱いで被り髪が濡れないようにしてから、
駆け足で森に向かった。
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