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そして、僕は森の中をひたすら歩いた。
ザク、ザクと落ち葉を踏みしめる音が鳴り響く。
森の中に入って行くに従い、体に吹き付けていた冷たい風が和らいでいき、
体が森に包まれていくような感じがして、少し安心感が出てきた。
「ここら辺でいいか」
僕は、落ち葉の上に腰を下ろすと、そのまま倒れこんだ。
「疲れた・・・」
体がフラフラする。頭がぼーっとする。
びしょ濡れになった服に体温が奪われたせいかも知れない。
僕、このまま死ぬのかな。
まぁ、それでもいいか。
こんなに歩いたんだ。こんなに耐えてきたんだ。
もう、十分だよね?
僕はゆっくりと目を瞑った。
意識が遠のいていく。
その時、頬にあたたかい何かが触れた。
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