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それから一年が過ぎ、私は希望の大学に受かり、東京へ出ることになった。
おばの病名は伏せられたまま、先の雪解けの時期に亡くなった。葬儀に参列した人はわずかで、親族ばかりだった。
私は時折おばの真っ白な髪を思い出す。
白髪を“霜”に例えることもある、と母に教えてもらってから、スマートフォンで霜降ると検索しようとしたことがある。
“しもふる”と打ち、変換して、どきりと心臓が鳴った。
“死も降る――”
おばはいつ、死んだのだろう。
遺影の中のおばは若く、髪は艶のある美しい濡羽色だった。
(完)
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