先生の指

偶然の出会い

ドキドキした。

いや、まさか、こんなところに先生が居るわけはない…。
話し掛けたら、恥をかくだけ…。
話し掛ける言葉も浮かばないし、度胸もない…。

その男性は、すぐに私の方を見たように感じた。
が、私は、確かめる事もないまま、お酒売り場の通路を通りすごした。
ただ、通りすごした時、男性の上腕の真ん中のあたりが、私の目の高さくらいに見えた。