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先生への想い
私は、先生の事を考える時間が増えた。
前までは、なんてことのない、ただの主治医という存在だった。
けれど、今は、違う。
先生への特別な感情を感じていた。先生の右手人差し指に、ほくろを見つけてから…?
いや、思い返してみると、最初に会った時から、どこか懐かしい、馴染みのある指先…綺麗な指先…を見た時から、もしかしたら、先生へ特別な感情を抱いていたのかも知れない…。
私は、自分の右手を左手で撫でた。
手はガサガサだけれど、愛しい。
「もう少し、お手入れしよう…。」
私は、ハンドクリームを両の手につけた。右手には念入りに…。
いつの間にか、私は、先生の診察日に、めいっぱいのお洒落をして出掛けるようになった。
別に、『病気の人と思われないように』という風でもなく…。
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