先生への想い

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ

先生への想い

私は、先生の事を考える時間が増えた。 前までは、なんてことのない、ただの主治医という存在だった。 けれど、今は、違う。 先生への特別な感情を感じていた。先生の右手人差し指に、ほくろを見つけてから…? いや、思い返してみると、最初に会った時から、どこか懐かしい、馴染みのある指先…綺麗な指先…を見た時から、もしかしたら、先生へ特別な感情を抱いていたのかも知れない…。 私は、自分の右手を左手で撫でた。 手はガサガサだけれど、愛しい。 「もう少し、お手入れしよう…。」 私は、ハンドクリームを両の手につけた。右手には念入りに…。 いつの間にか、私は、先生の診察日に、めいっぱいのお洒落をして出掛けるようになった。 別に、『病気の人と思われないように』という風でもなく…。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!