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硬い指がはいってきたのに、先程の痛みや違和感ではない何かが腰を震わせた。
指をいれ、その周囲を舐めて解そうとする男の作戦は成功だったのだろう。
「指を締め付けてくる」
「言うな!」
自分でもわかるくらいにそこが動き始めた。
「悪いな、男は俺も初めてで、どうしたらいいのかよくわからなかったんだ」
「ん・・・・・・っ! あ、あっ!」
「でもちょっとわかってきた」
学生時代にたまに請われて勉強を教えていたときもこんな風に言っていたなと思い出す。
「ひっあ・・・・・・! そこっ!」
指がまるでむき出しの快感という神経を触ったように何かが駆け抜けた。
「ああ、男なら誰でも射精できる場所があるって言ってたな」
「あぅっ!」
二本目の指が突き入れらたというのに、私の痛覚は目覚めなかった。それどころか、圧迫するそれが更に敏感な場所に触れるものだから、私はもう膝を押さえいるどころではなくなった。
それに気付いた男は私の両脚すら片手で抱え、膝の裏に唇を寄せる。指は奔放に動き、私は息をするのも忘れるほどに喘がされる。
「ああっ! もうっ、あ、達くっ!」
私は自分の陰茎を扱いた。笑う気配を感じたが、それどころではない。
「達けよ――」
甘噛みされ、ふくらはぎに痛みを感じながら、私は二度目の射精を果たした。ビクビクと震える身体は今まで感じたことのないほどのもので、しばらく余韻を残すほどだった。
腰を下され、寝台に沈み込むような私を抱きよせ、男は私のこめかみに口付ける。息は整ってきたが、未だ心臓はバクバクと強い鼓動を打っている。
「お前の銀の髪が好きだ――」
私が一番嫌いな髪が好きだというのは、やはり気が合わないからではないかと、意地悪く思う。
銀の色は、この国では珍しい色なのだ。孤児院にいる頃はよく言われた。隣の大陸からきた吟遊詩人と貴族の子女の過ちのうちに出来た子だろうと。私の瞳の青は古い家系の貴族によく出る色なのだ。
お前はそんな髪の色だから捨てられたのだと、散々言われてきた。
「趣味が悪いな――」
もっと小さな頃は『子供婆』とからかわれた。そこは爺だろうと今なら思うのだが、孤児院にいるのは修道女だったからだろう。
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