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昔からそうだ。私が孤児院で王太子殿下であるリチャード様に拾われて、王城に来てからずっと――。リチャード様の遊び友達として来ていた貴族の子供たちに邪見にされている時も。王立学院に入ってから貴族のおぼっちゃんたちに無意味ないやがらせを受けている時も、何もいわず側に立っていた。そして、侯爵家の継嗣であるヴァレリーが無言で側にいれば、誰もそれ以上のことはすることが出来ない。ありがとうなんて、言うことも出来ない私と目が合えば、やはりこんな風に眉を僅かに下げて笑うのだ。
その度に私はこいつは大型の犬のようだと思った。
ガシガシと頭に手を置き、撫でると言うには些か乱暴に髪の毛を掻きまわすと、男は口付けを深めてきた。
「んっ! ・・・・・・躾のなっていない犬だな」
舌を甘噛みされて、文句を言うと「なら躾けてくれ」と犬であることを喜んで受け入れた。
もう、こうなったら素直になったほうが楽だというものだ。こいつの気持ちは真っすぐ過ぎて、私にはくすぐったくて堪らないが――。
「やめっ! それ以上そこは――っ」
そうだ、こいつは女は胸だと言っていたなと、思い出す。男の胸も好きらしい。二つの小さな粒を丹念に弄り、ピンと立つそれに舌を這わす。
「俺好みだ――」
「あっ! やめろって――」
手で頭を抑えようとしたが、力の差がありすぎて、手首は軽く一纏めにされた。
「うっくっ・・・っ!」
「何でこんなに敏感なんだ?」
「知るか!」
風呂で身体を擦る時以外に触ることなどないだろう場所が敏感とか言われても、答えなどありはしない。
正直、この男が満足するころには、ぐったりとしてしまった。体力がないわけではないが、基本身体が主体の騎士と一緒にされても困るのだ。
「ふふっ、お前のここに・・・・・・」
何を想像しているのかはわかるが、とりあえず、無視だ。こんな枕を腰の下にいれて、あそこもここも見られている状態で、どうしようもない。
「とりあえず、こっちだな」
きっとそこを擦られるのだと思っていた。しごいて、出して・・・・・・と。
「やっ! やめろって――。待て――、今度こそ本当に待て――」
腰を掴まれ足を上げた状態で、あそこを吸われた・・・・・・。ギュンッと力強く勃つそこを口に含まれ、慌てたところを何度も吸われた。暴れてもやはり力は緩むことなく。
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