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「何だ? ここ気持ちいいだろうが」
女の口より大きく熱く、吸い込む力も半端ない。波にさらわれるように、快感が怒涛のごとくやってきた。
「喋るな――」
シーツを握りしめても腰が痺れるような快楽は抑えることが出来ず、喋る口の動きで更に追いつめられた。
「くっ! あ・・・・・・っ」
勢いよく出たのをこの男は飲んだ。
呆然とする中で、麦芽酒でも勢いよく飲んだかのように口元を拭う。
「早いな・・・・・・。びっくりしたぞ、達く時は達くっていってくれ」
馬鹿にされているような気もしたが、言葉にならない。なんだろう、この罪悪感みたいなものは。言わせてもらうが、ここ最近リチャード様の結婚の準備で忙しくて、抜いてなかったんだ。女を呼ぶ時間もなかった・・・・・・。が、やはり口にするのは躊躇われた。
「どうした? 早すぎた自分にビックリしてるのか?」
私が何も文句を言わないのが気になるのか男は顔を覗きこんでくる。
「もういいから・・・・・・早くしてくれ・・・・・・」
言い訳をすれば、何だか本当に早いのだと認めることになりそうで、とりあえず先にすすめて欲しいと口にした。
「おまっ、え、煽るなよ――」
顔を赤らめて、男は恥ずかしそうにそんなことを言う。
「待て、煽るって何がだ――?」
「早く・・・・・・とか。ちゃんと解さないと大変なことになるらしいからな。早くしてやりたいが、待ってくれ」
真っ白になった頭の中で、そう言えば女達が強請るように「早く・・・・・・くださいませ」とかいってたのを思い出した。
何、私は今強請ったことになっているのか? 早かったことよりそちらのほうが重要な気がしたが、何だか笑いが込み上げてきた。
「ブフッ!」
「どうした?」
「ゲフッ・・・・・・グッ・・・・・・ハハハ――」
吹き出したら止まらなくなった。腰を抱えられて、この状態で捩るように身を返し、笑いを抑えようと頑張ったが、無駄だった。
「ヒー・・・・・・っ、苦し・・・・・・」
やっと何故か私が笑い出して止まらなくなっているように気付いた男は、怒ったように私の尻に指を突き入れた。
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