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「あれ? 何でもきいてくれるんじゃなかった?」 「それはそうだけど」 「それに教えて欲しい話は、それだけじゃないんだ」  楽しそうに楽人は話す。プールのことより無理難題じゃなければいいなと願いながらも、それでもまあ楽人が笑っているならいいか、とも思う。 「他には、なに?」 「あ、お願いきいてくれる気になった?」  表情をパッと明るくして、楽人は微笑む。その笑顔には弱いのだ。 「――わかった」  そんな楽人が見られるのなら、それだけでいいと思ってしまう。 「やった!」  毛布の中で小さなガッツポーズを作り、本当に嬉しそうに楽人は声を上げた。  その笑顔につられて、歩人も自然に微笑んだ。 「ね? 歩人、じゃあ明日は遠足楽しんで来てよ? 僕、話聞くの楽しみにしてるからね」  自然に浮かんでいた微笑みはその一言で固まってしまったが、結局どうやっても楽人に勝てる訳はないのだと、そう思えばぎこちなく頷くしか歩人に道はなかった。
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