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長友星乃と仲間達。
「佐々木さん、困りますよ。火曜日は燃えるゴミの日だって何回言えばわかるんですか。」
長友星乃は眉を寄せて、回収されずに置いてあったゴミ袋を佐々木と呼ばれる男の前に置いた。
「…あー、悪かったよ星乃くん、ついうっかりね。」
細身で長身の佐々木と呼ばれた彼は、そのボサボサの黒髪のせいでで顔こそ見えないが欠伸をしている態度から、反省している様子はうかがえない。
「そう言って先週も、その前も間違えてたじゃないですか。」と、ため息をついて見せても「あー、そうだっけな?」わざと伸びかけのひげに手を伸ばし、考える動作をしてみせる佐々木。「そうですよ。」少し怒って見せても、「まあ気いつけるわ。」と軽く返されてしまう。
おおよそまた明け方まで酒を呑んでいて眠いのだろう、大きな欠伸をして髪や腹をボリボリと掻きながら再び部屋に戻ろうとする。
その姿にまた「はぁ、」とため息をこぼしながらも長友は続けた。どうせ言うだけ無駄だろうと思いながらも、なんとか最低限の規律を守ってもらいたかったのだ。
「燃えるゴミは火曜日と金曜日。燃えないゴミとプラは水曜日。それから資源ごみは第2木曜日で、ちなみにペットボトルも、」
ーーーガチャ。
「……え…あれ?」
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