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…………え?
私は、しばらく思考が止まった。
「……なんで?」
なんとか絞り出したても、それしか言葉が出なかった。
「ほら、お前あと2週間ぐらいで誕生日だろう?
17歳は節目の歳だから、親戚皆で祝うってよ。」
翡翠の親戚が、そんなに家族みのある行事をするとは驚いた。
事前に得た情報では、あまり家族仲が深いような感じはしなかった。
ともあれ、実家なんて、バレやすさが学校の段違いなので非常に行きたくない。
が、ここで断るのも翡翠の性格上変なので、仕方なく承諾することにした。
翡翠は、どんなに嫌であろうとも、基本的に物分りが良いので、特に家からの言いつけに背くなんてことはしない。
しかし、ピンチはチャンスだ。
実家の方が山程情報があるだろうから、上手くいけば、翡翠が妖怪だっていう証拠も見つけられるかも知れない。
そして、放課後。
校門まで、光冴の乗った黒塗りのリムジンが迎えに来て、そのまま実家まで30分程揺られた。
初めて見る、親戚や実家に期待と不安を持ちつつ、光冴との談笑により、心を落ち着かせていた。
ただ車に揺られるだけではつまらないので、どうせ時間があるならと、改めて光冴をしっかりと観察してみた。
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