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私は人と対面している以上、易々とポケットの中に入っている攻略情報の詰まったスマホは見れない。
では、何故ヨハネスが私の持っているはずの情報を使えるのか。
それは、スマホ型にlistを改変する時、コピーを作って貰ったからだ。
1人で情報をやりくりするよりも、共有し、即座に必要最低限の情報を出してもらう方がよっぽど効率がいいと思ったのだ。
「……ヨハネス?」
「………………」
まだかよ。
説明でだいぶ時間稼ぎしてるのにまだかよ。
老人のかつての呼び名が分からない以上、変に話す訳にはいかない。
その為、未だ私の手は老人と繋がれたままだ。
このままでは、流石におかしいので、私がとった行動は……
「?
どうした翡翠。そんな顔して。」
光冴が尋ねてくる。
無理もない。
何故なら私は、首を45度傾げ、ポカンと口を開けたのだ。
その名も、『必殺・は?なにこれ。』
馬鹿らしいと思うかもしれない。
確かに付け焼き刃だ。
そうだよ。傍からみたらおかしな人でしかない。
…………やめて?
そんな目で見ないで?悲しくなるから。
その、なんだよコイツみたいな目は止めよう?
頑張ってるから。わたし。…………ね?
…ね?
しかし、これにもちゃんと意味がある。
お願い、聞いてくれ。
翡翠は、普段すまし顔でしか過ごさないが、家にいる時、すなわち外面が剥がれている時には、案外顔に出やすいのだ。
しかも、翡翠は『知らない』という事を、とことん嫌がる為、『は?なにこれ。』顔は滅多に拝めるものではないのだ。
こうして、カオスな状況に正当性をつけ、なんとか時間を稼いでいると、
「っ!!
あったーー!ありました!!」
と、ヨハネスが歓喜をあげた。
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