0人が本棚に入れています
本棚に追加
卵かけご飯
谷保駅の北口から真っ直ぐに80mぐらいの交差点を右に曲がると〔谷保元町商店街〕があって・その商店街を抜けて2,3回曲がっていくと・道に少し柿の木が飛び出している家屋があります/築百年は経っていそうな木造の平屋と小さいけれど庭が日本庭園のようでステキなので・ある小説でお借りしたことがあります
「拓庵和尚 こんにちは」 玄関を開けるのと同時に挨拶をします
「おう 来たか」 と拓庵和尚です
拓庵和尚は 沢 拓庵という方で・ホンモノの和尚さんではありません/私が子どもの頃この近くに住んでいたときに勉強を教わっていて・私の母はその頃に私が” 拓庵和尚 ” と名付けたと云うのですが・どうしてかは私にも分かりません
私は ふじのぶようこ といいます/もちろん漢字で書きますが漢字はヒミツです
大学生になって 月に何回か和尚の家に行っています
和尚は何時もの通り・玄関を入って廊下のすぐ右側にある六畳の和室にある炬燵に入って待っていてくれます
「拓庵和尚・何かサンスウの種ありましたか」
「自分で種を探してくるのではなかったかな」
和尚の家に行くのは算数の間答をするためで・私はそれを元に小説を書いています
「ネットを見ていたら こんなギモンを記したサイトがあった」
プリントアウトされた紙はハガキぐらいの大きさで 下半分には手で千切った跡があります
○---------------------○
卵とご飯を合わせると卵かけご飯ができるので
卵 + ご飯 = 卵×ご飯
ここで、卵かけご飯にご飯粒はたくさん入っているが・卵は通常一つなので
1 + ご飯 = 1×ご飯
ご飯 =ご飯 + 1
両辺からご飯-1を引いて
1 = 2
どこが間違っているのですか?
○---------------------○
「どうして 千切ってあるんですか?」
「答えが載っていたのでな/ で どう考える」
「そうですね」 1回読んで考えてみて・もう1回読み直して考えてみることにします
和尚に自分の意見をいうことは・今でも少し緊張します
「数量ではないものを計算式にするのは数学としてはおかしいかな・と思います」
「うーむ」 これが和尚の口癖です
和尚は 千切ったもう一方の紙片を私に見せます
最初のコメントを投稿しよう!