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もう十分に君は、真・帰宅部に貢献してくれたよ。
それに、僕が目指す部には、役に立つとか立たないとか、そんな考えは必要ない。
誰もがありのままの自分でいれて、それぞれが互いを認め合える。
それが僕の目指す部の形なんだよ。」
僕は前髪をサッと手で払うと、その手をそのまま健一くんに向けてバキューンと撃った。
健一くんは笑ってくれた。
「僕ね、昨日家に帰って少し考えたことがあるんだけど、聞いてくれるかな?」
少し恥ずかしそうに健一が言う、その考えを僕は聞いた。
「僕の取り柄は絵を描くことしかないけれど、田中くんがその僕が描いた絵を誉めてくれたことが嬉しかった。
だから、田中くんと部に対して僕が出きることを考えたとき、部のシンボルマークみたいのを描けないかなって思ってさ。
それで、こんなのを描いてみたんだけど。」
そう言う健一くんの目の前には、大きな黒い円が描かれており、その回りには色とりどりの花が描いてあった。
「これは、、、。」
「まだこれは完成していないんだ。
黒い円の中心は何も描いてない白紙のままでしょ?」
健一くんが言うように、確かに黒い円の中は白いままで、何も描かれていない。
何を意図しているのか僕は分からず、素直にその意図を聞いた。
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