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「これはね、この中心に田中くんのイメージする何かを描いて欲しいんだ。
もしこれを使ってくれるんなら、やっぱり中心は部長である君が描いてくれなきゃ。」
僕は健一くんの言葉と共に、その場に崩れ落ちた。
「ど、どうしたの田中くん!?
大丈夫?」
僕は決して体調が悪くなった訳ではない。
僕の心が健一くんの粋な計らいに打ち震え、感極まるがあまり足に力が入らなかった。
僕はなんとか足に力を入れ、立ち上がった。
「健一くん、君ってやつはどこまで僕のハートを熱くさせるんだ。」
そう言うと、健一くんに歩み寄り筆を借りた。
そして、一気に円の中心に筆を走らせた。
サササササ!!
バンッ!!
僕は絵に手をあて、叫んだ。
「このマークに誓う、僕は必ず真・帰宅部を発足してみせる!」
僕が手をあてる絵の中心には、大きく『真』と文字が書かれていた。
「健一くん、本当に有り難う。
君にはこれからも僕を支えて欲しい。
僕も君を全力で支えよう。
さー、今再び握手だマイベストフレンド。」
健一くんは僕の差し出す手を握ると、
「喜んでくれて良かった。
これからもよろしくね。」
と言った。
僕はそれから急いで絵をコピーしに職員室に向かった。
職員室に入ると、木島先生がこちらをチラっと見たが、すぐに目をそらした。
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