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僕の言葉に先生は頷いたが、それでもやはり部として認められることは無いと言った。
「それはやってみなければ分かりません。
とにかく、入部希望者を集めるために、こんなものを作りました。」
そう言うと、僕は先程健一くんが描いてくれた絵を渡した。
「なんだそれ?
大きな円の中に真?
それと花?
どんな意味があるんだ?」
僕はその質問に堂々と答える。
「真は字の如く、嘘偽りのない本物を意味します。
そして、それを囲む黒い円は、人が手を取り合う輪をイメージしています。
それを彩る花は、それぞれの性格を表しています。
黄色い花であれば明るい人。
青い花であればクールな人。
赤い花であれば情熱のある人。
色んな性格の人が集い、それぞれが互いを認め手を取り合う、そしてそこに結ばれる友情には嘘偽りがない、本物の友情を目指す、それがこの絵に込められているのです!」
先程健一くんに聞いた絵のイメージするものと、僕の想いを混ぜて、木島先生に説明した。
月一しか来ない美術部顧問とは言え、美術を愛しているのだろう、絵をじっくりと見ると何かを感じたらしく深く頷いた。
「中々良いできじゃないか。
今度の絵画コンクールに出したらいい線までいけるんじゃないか?」
僕は先生の言葉にあきれた。
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