1人が本棚に入れています
本棚に追加
絵だけでも、十分に真・帰宅部の良さは表現されているが、やはり何か言葉が書いてある方が皆来やすいだろう。」
「そうだね。
やっぱり、新入部員求むとか、どこが部室なのかとか書かないと、分からないよね。」
そう言ったものの、やはり百枚ともなるとかなりの数であり、どうしたものかと考えていると、ガラガラと一人の生徒が部屋に入ってきた。
すると、その生徒を見て健一くんの顔がパッと明るくなる。
「あ、相原くん!
来てくれたんだね!」
そう呼ばれた生徒は無言でコクリと頷いた。
「健一くん、彼は君のフレンドなのかね?」
「うん、同じクラスの相原雅(あいはらみやび)くん。
今日相原くんに、田中くんの話をしたら、ちょっと興味を持ってくれてさ。
だから、よかったら放課後来てみてよって声かけたんだ。」
そう紹介された雅くんは、僕に向かってボソッと、「どうも。」と言った。
「そうだったのか。
それはそれは、よく来てくれた。
私が真・帰宅部部長の田中悠だ。
以後お見知りおきを。」
僕はそう言いながら片手を出し、雅くんに握手を求めた。
しかし、雅くんは警戒の強い猫のように、僕の手からサッと後方に下がり、近くの机に身を隠した。
「田中くん、相原くんは極度の人見知りでね。
僕も初めの内は中々話せなかったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!