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先生、美術室貸してください
キーンコーンカーンコーン。
ガラ!
ダダダッ
ガラ!
「失礼します!」
タカタカタカ
「木島先生、美術室貸してください!」
僕は放課後、すぐに職員室に向かい、美術の先生である木島先生に帰宅部語りの場のために、場所の提供を求めた。
「駄目だ。」
木島先生は、目にも止まらぬ早さで僕の願いを切り捨てた。
「なぜです木島先生!
僕がこんなにも頼んでいると言うのに!」
「いや、こんなにもって、まだ一回しか言葉にしてないだろ。
それに、駄目だと言ったのは、お前がどういう理由で美術室を貸して欲しいのかも言わないからだ。」
確かに僕は少し話を急ぎすぎていた。
僕は改めて、理由も含めお願いした。
「僕はマイフレンズとの友情を確かめ合い、そして語り、時に遊戯する。
そんな放課後の憩いの場を作りたいんです。
その名も真・帰宅部!!
そして、その部が活動するにあたり、美術室ほど相応しい場所はないと僕は考えたのです。
ですからどうぞ、美術室を貸してください!」
木島先生はそこまで話を聞くと、
「うーん、やっぱり駄目だ。」
と、また切り返してきた。
時代が時代なら、この先生は『人斬り木島ノ衛門』などと呼ばれたのではないかと思うほど、切り返しが早い。
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