先生、美術室貸してください

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「なぜです!? 僕のこの熱いハートが分からないんですか!」 「いや、熱心なのは嫌って程伝わってるんだが問題が幾つかある。」 「では、その問題を教えてください!」 「あー、分かったから落ち着け。 まず一つ目、ほとんど名ばかりだが美術部があり、部員が部屋を使っていること。 お前はたぶん、美術部がほとんど機能していないことを知って、美術部顧問である俺に声を掛けたんだろうが、一応真面目にやっている奴が少しいるんでな。」 木島先生の言ったことは正しかった。 僕は美術室が、真・帰宅部の部室に相応しいと言ったが、正直そこしかツテが無さそうだったのである。 「二つ目だが、部を作るには顧問一人。あとはもちろん部員だが、最低でも三人必要なこと。 部長一人に、副部長一人、そして部員が一人、計三人だ。 昔は五人とか、十人いないと部として認められない時代もあったが、今は少子化に伴ってそこら辺は甘くなった。 けれど、見たところお前は一人のようだが、他に部員はいるのか?」 ギク! そうなのだ、実は僕の真・帰宅部創立というドリームに今のところ賛同してくれる人は誰一人としていなかった。 「そして、最後の三つ目だが、これが根本的問題だ。     
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