休み

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ふわふわと浮いてる。 身体がふわふわと。 気持ちいい。 あったかいし。 目を覚ましたくない。 ずっとこうしていたい。 ここが一番安全で安心出来るって知ってる。 守られてる。 幸せだなぁ。。。 楓はそろそろと目を開ける。 あれ。ここ。 うちのベッド。。 淡い光の中 横を見ると 枕に背を預け 俺を抱きかかえたまま 高嶺さんは目を瞑り すーすーと寝息を立てながら 眠っていた。 がっしりとしがみついていたことに気づき いつもちゃんとしている高嶺さんが 服を着たままな事に気づいて ああ。もしかして。。また俺。やっちゃったのかな。。 と 必死に何があったかを思い出す。 隆さんが杏のジュースを飲ませてくれ とても美味しかったけれど 急にふわっとして そこからあまり覚えていない。 くっついていた広い背中の感触と 名前を呼ばれた事。 んーと。。車に乗せられた気もする。 槙さんの心配そうな顔と えーと。。 高嶺さんが苦笑いして おでこにチュッて。。 あれ。お酒だったんだ。。 なのに全部飲んでしまった。 どうしよう。。大事な話をしていたのに。。 きっと高嶺さんが連れて帰ってきてくれたんだ。 俺のせいで中断させて。 なんで俺はバカなんだろう。 何か変な事言ったりやったりしてたら高嶺さんに 迷惑がかかる。 皆さんに呆れられてしまったかも。。 どうしよう。。 「・・楓。大丈夫ですか。気分は?」 高嶺さんが眠そうに目を擦りながら 優しく俺に微笑んでくれる。 「た・・高嶺さん。。すいません。。俺。。 大事な話をしていたのに。。」 俺を上に抱え上げ ちゅっと唇にキスをすると 「大丈夫ですよ。知りたかった事は聞けましたから。」 慰めるようにそう言ってくれる。 「で・・でも。。」 ああ。と何も言っていないのに高嶺さんは頷き 「抱きついてきた時は流石にまずいとは思いましたが。」 ニヤニヤ笑って俺の顔を覗き込み 「酔った楓は好物ですが 人には見せたくないので 帰ってきました。大丈夫。 槙がフォローしている筈だし 佐々木も戻したので うまく誤魔化してくれるでしょう。」
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