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土曜日。
お気に入りの白いブラウスに赤いスカート。
開門より早めに学校に着いたわたしは、石ころを転がして遊んでた。
「アイちゃんと遊ぶ、アイちゃんと遊ぶ!」
石ころを転がしていると、ふと青い運動靴が見えた。
「アイちゃん!」
わたしが顔を上げると、アイちゃんと知らないおじさん。
「アイちゃん、そのおじさん誰?」
すると、アイちゃんはねっとりとした笑顔と声音で、
「花子さんのご主人様♪」
って言った。
「えっ??」
「あのね、私、花子さんが大嫌い。それで、どうやって殺そうかなって考えて、猟奇的な性癖のあるおじさんに花子さんを売っちゃえば、いつか耐えられずに死ぬんじゃないかって思ったの。だから、私の代わりこのおじさんと楽しく遊んでね♪」
訳が分からない。
ただ、怖い。
急いで逃げようとしても、大人の方が足が速い。
怖い。
わたしはとにかく隠れなきゃと、低い校門を乗り越えて鍵が壊れてて開くようになってる一階の廊下の窓から学校に入った。
「はあ、はあ」
走った。
隠れられると思ってたけど、どこも開いてない。
階段をのぼってとりあえず逃げた。
そして、三階に着いたとき、思いついた。
(そうだ!トイレに隠れれば、大丈夫!)
三階のトイレに駆け込むと、たまたま開けたままだった三番目の個室に入って鍵を閉めた。
「花子さん、出ておいで」
あの知らないおじさんの声がする。
ドンドンドン
「花子さん、出ておいで」
ドンドンドン
「花子さん、出ておいで」
しばらくそれを続けてたけど、わたしが出てくる気がないって分かると、それをピタリと止めた。
(た・・・助かった・・・)
わたしは安心して、ふと上を見上げた。
すると、
隣の個室からわたしの居る個室へ入って来ようとしているあの知らないおじさんが居た。
そして、ナイフを振りかざしている
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
あ。死んだ。
そう思って固まったわたしに、その知らないおじさんはナイフを突き立てた。
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