二つ目の願い

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「うえ、気持ち悪い。」 「ジェットコースター全部乗ろうとするのが悪いんですよ。」 気分転換のために乗った観覧車の中で気持ち悪くて下を向いていた。 少し顔を上げると普段の澄ました顔をしていた。 「麻衣は平気なのか?」 「これくらい平気です。毎日のようにこの倍ぐらい速いほうきに乗ってますから。」 外を見ると何羽かの鳥たちが悠々と空を飛んでいた。 「すごいな。尊敬するよ。」 「冗談に決まってるじゃないですか。しかもそんなことで尊敬されても嬉しくありません。」 「あまり無理するなよ。僕の前くらい肩の力を抜いていいんだよ。」 「じゃあ遠慮なく。」 気づいたら彼女の顔が目の前にあった。唇に柔らかい感触。ずっと長いことそうしていた気がする。離れてしまったら彼女がどこか行ってしまいそうで怖くて。頭を撫でられてようやく離れる事ができた。 「蒼生さんもあまり無理しないでくださいよ。」 観覧車も終わりに近づいている。もう一度空を見たけどもうあの鳥たちはいなかった。
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