二つ目の願い

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 美味しそうな匂いで目を覚ました僕は台所に向かった。 「おはようございます。ご飯もう少しで出来るので。」 「本当に作ってくれたのか。ありがとう。」 「あなたが死ぬまでこれくらいやりますよ。」 少し寂しそうな顔に見えたの僕の気のせいだろうか。  僕は台所を出て、洗面所で顔を洗った。鏡の中の自分を見ながら考える。最後に使う『願い事』を。もう薄々分かっている。自分が何に使えばいいのか。それでも僕は知らないふりをする。そうやってずるずる引きずっても良いことなんてないのに。 「ご飯出来ましたよ。」 彼女の声が聞こえて考え事をやめる。 「美味しそうだな。」 死ぬときに自分の側にいてほしい。それが僕の最後の『願い事』だ。でもそれは叶わなかった。
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