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僕の家は貧乏だった。父親も居なかった。
物心がついた時から、母親と2人暮らしだった。
そんなだから、学用品はとても大事に使っていた。
鉛筆も消しゴムも、限界まで小さくなるまで使っていたし、ノートも出来るだけ字を小さく書いて長持ちさせていた。周りの同級生は、新しい文房具が発売する度に飛び付いていたが、僕の家にはそんな余裕がなかった。そんな僕の生活が、6年生になって変わった。
ある日、体育の授業から教室に戻ると、僕の消しゴムが新しいのに替わっていた。今、クラスで流行っている『超消し君』になっていた。何で?僕のチビた消しゴムはどこにいったの?探しても、友達に探してもらっても見付からない。結局友達の、仕方ないからそれ貰っとけば?の一言でそれは僕の物になった。消しゴムの予備も無かったし、仕方ないかなと。内心、僕もこの消しゴム欲しかったし、嬉しかったのだけど、これが全ての始まりだった。新しい消しゴムを手に入れた時から、僕の生活がおかしくなった。
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