泡沫《ウタカタ》

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泡沫《ウタカタ》

はらはらと降りしきる白い雪に、赤が弾ける。 隣を歩いていた愛しい人が、見知らぬ男に銀の(ヤイバ)で貫かれ、目の前で静かに崩れ落ちた。 男が車で走り去る音を聞きながら、赤く染まっていく父にしがみつき泣きじゃくることしかできなかった当時の私は、まだたったの5歳だった。
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